企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

企業との探究学習

生徒と企業がともに未来をつくる探究学習。企業人が教育に関わる「CAミーティング」始動!

探究学習プログラム「クエストエデュケーション(通称クエスト)」の企業探究コース「コーポレートアクセス」では、「企業とともに未来をつくる」というコンセプトで、生徒たちが企業へのインターンシップを教室で体験しています。

2020年度は過去最大12社の企業にご協賛いただき、プログラムがスタート。参画企業の方々も、いよいよ実際に学校の授業に訪問に行く時期となりました。

「第2回コーポレートアクセスミーティング(通称CAミーティング)」では、そうした時期に改めて「企業と学校が関わる意味はなんなのか」をテーマとして、学校の先生3名をゲストにお招きしし、参画企業の方々12社47名とともに考える機会としました。

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

コーポレートアクセスミーティング(通称CAミーティング)とは
「CAミーティング」は、コーポレートアクセスに参画している各企業の方々が一堂に会し、教育について考え、想いを共有する場です。
普段は違う仕事をしている企業人のみなさんが、ともに教育に関わる同志としてつながり、クエストの機会を通じて、生徒たちと関わる意味や意義を考えていきます。
毎年5月頃に第一回が開催され、その後数か月に一回、翌年の2月に行われるクエストカップ全国大会まで、一年を通して企業の方々が集まり開催しています。

企業との関わりに、学校の先生が願っていること

今回はまず、クエストエデュケーションを導入されている学校、3校の先生から、クエストを活用してどんなふうに学校を変えていこうとしているか、企業人との関わりで印象に残っていることや企業の方々に期待していることをお話していただきました。

平野昌子先生(下北沢成徳高等学校)
岩田真志先生(東京都立西高等学校)
平吹直登先生(共栄学園高等学校)

平野昌子先生(下北沢成徳高等学校)

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

下北沢成徳高等学校は、クエストをはじめて7年になる学校で、クエストカップ全国大会2014で初めて全国大会に出場しました。社会を舞台に活躍できる女性の育成をめざしており、実社会で活躍する女性がたくさん輩出されている学校です。

社会につながる学びをさせたいという想いから、クエストが社会の第一歩を学べるプログラムだと、平野先生自身も若手の教員の方々と一緒にはじめたと聞かせていただきました。

クエストの授業では、企業の方が出演している教材の動画を見た生徒たちが「あの人に会いたい」という想いから、本人に会えるクエストカップを目指して懸命に取り組み、企業賞にたどりついたというエピソードをお話いただきました。

企業の方々と触れ合うことで生徒たちが実社会の厳しさを学べたり、遠慮なくびしばし言ってもらえることで、「ここまでいってくれるならがんばろう」と生徒たちに熱意が伝わったことをお話してくださいました。

岩田真志先生(東京都立西高等学校)

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

東京都立西高等学校は、クエスト2年目の学校です。学習指導要領に基づいて、これまでの「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」になったことから、クエストを導入されたそうです。

コロナの影響でたてていた行事や学習計画が変更されることになったことから、教員自身も自らなにかを発見してなにかをやっていかなきゃいけないと感じていること、まったく先がわからない状況のなかでも現場で活躍している企業の方々と関わり、そこから感じられる空気を学校に持ちこみたいとのことでした。

そして、学校の中からでは外の世界があまり見えないため、生徒たちにリアルな現場を伝えてほしい、生徒たちに体感として感じてもらい、汗をかいた学びをしてほしいとのお話でした。学校や先生に遠慮せずに真実を伝えてもらうことで、先生も生徒も自分が今いる空間を相対化することができる、とお話してくださいました。

平吹直登先生(共栄学園高等学校)

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

共栄学園高等学校は、クエストを2004年から導入しており、昨年度は総合学習改編のため1年お休みし、今年度より一新してクエストを再スタートしました。実施が通算15年目となる学校です。
平吹先生はご自身も高校時代に、クエストの前身プログラムである日経エデュケーションチャレンジに参加したことがあるそうです。

「なにをしたらいいんですか」ではなく、自分で答えをつくっていいんだと生徒たちに気づいてほしい、また、クエストに取り組むことで、生徒たちの普段知らない一面も知る機会になることをお話してくださいました。

高校時代にクエストに挑戦した際に、企業の方が失敗談なども教えてくれ、親身になって話を聞いてくれたのが印象に残っているそうです。生徒という扱いではなくて、同じものをつくるという立場で、「このことはどうか」「どう考えているのか」「ここはよかった」と話をしていくと、生徒たちが自然と真剣にのめりこんでいく、企業の方だからこそわかる商品開発や企画の鋭さが面白くて、「1ほめて3課題を残していただけるとありがたい」とお話していただきました。

企業の方々は、なぜ教育に関わるのか

続いて、参画企業の中から2社、これまでクエストに関わってきたエピソード、現状クエストをどんなふうに取り組んでいるのか、そしてどんなことを期待しているかについてお話していただきました。

藤巻 淳 さん
パナソニック株式会社 コーポレート戦略本部 経営企画部

松村 奈実 さん
大和ハウス工業株式会社 サステナビリティ企画部

藤巻 淳 さん(パナソニック株式会社 コーポレート戦略本部 経営企画部)

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

パナソニック株式会社は、クエストに参画して4年目となります。パナソニックの創業100周年の時に始まった「100年先の未来を創ろう」という「100BANCH」の取り組みをきっかけにクエストに参加されたそうです。

経営企画の8人のチームが関わっており、これから社内でも拡大していこうとしているとのこと。社員同士で、レポートや写真を共有しながら学校訪問について共有したり、学校訪問をとおして何を得たいのかをみんなで考えるワークショップを行ったそうです。

クエストでは、次世代育成への貢献や、若い人たちと関わっていくことの他、生徒や先生、他社とのコミュニケーションを通じて、枠を外していくことに価値を感じているというお話をしていただきました。

先生からのお話に「学校にとじこもりがち」というお話があったが、自分たちも「自分の会社にとじこもりがち」なのではないか、実は社会のことをわかっていないのではないか。

パナソニックでは家電の開発をしているが、開発する側としてだけではなく、普通の人、使用者としての感覚が大切で、多様な人たちと関わり広い視野をつちかって、会社や企業という枠をはずしたひとりの個人としての感覚を、会社の中に取り込めるのではないかとお話いただきました。

また、実際にクエストに関わって変化を感じていることとして、殻が壊れていくということをお話していただきました。学校にいき生徒たちと関わったり、先生や他社の人たちと一個人、一市民として関わることで、会社で事業をやるために大切となる、会社から一歩離れた社会の目を持つことができると感じられるとのことでした。

松村 奈実 さん(大和ハウス工業株式会社 サステナビリティ企画部)

企業が学校と関わる意義を考える「第2回CAミーティング」を開催しました

大和ハウスは、2007年からクエストに関わっていて、社内ではこれまでで8人ほどナビゲーター(毎年協賛各社を代表して生徒用の動画教材にご出演いただいている方)がいるそうです。これからも会社全体をクエストに巻き込んでいきたいとのことで、クエストを通して実現したいことをお話いただきました。

ひとつはインターナルブランディング。社員ひとりひとりに自分が大和ハウスにいる意味を、活動を通して感じてほしい。生徒たちが企画にとりくむ姿をみて刺激されたり、生徒たちが大和ハウスについて真剣に調べ考えてくるような状況で、感化される体験になればとお話してくださいました。

もうひとつは、ソーシャルコミュニケーション。企業が企業の中だけではなくて、企業が社会の中に存在している。いろいろな環境の中で生きている人たちと対話をすることで、自分たちの中で価値観などにレパートリーが増えていくことに価値をおいている、本当の意味での多様性の理解につながっていくと考えているとのことでした。

クエストに実際に関わってみて感じたこととしては、教壇にたつにあたり生徒たちに正直に自分のありのままを見せよう、大和ハウスの人間としてちゃんとしようと考え、生徒たちとひとりの人間として関わってきたことで、人との関わり方が変化したということでした。

まとめ:生徒たちとどう関わりたいか

最後に、学校の視点、他社の視点などを知った上で、「クエストエデュケーション」を通じて、自社や自分たちがどのように関わっていきたいか、参加者同士でディスカッションを行いました。

会社を大きく巻き込んでいくような関わり方を模索しているという方や、一人の人生の先輩として、どのように声をかけていくとよいのか葛藤しているという方。それぞれの意見を素直にお話いただきました。

そして、参加者一人ひとりの「生徒たちと関わる上で大切にしたいこと」を全体に共有しました。

「生徒たちに一人の人間として真摯にむきあう」
「企業人として真剣に向き合いながら、一人の人間として誠実に向き合いたい」
「受け売りではなく、自分の言葉で話したい」
「本気で、全力で、会話していきたいと思います」

会社という枠や企業人としての普段の役割を越え、一人の大人としてどう教育に関わっていくのか、深く多面的に話し合う豊かな時間となりました。

これから始まる学校訪問、先生も生徒も企業のみなさんも、ひとりの人間としてお互いの関わり合いを楽しみ、ともに未来をつくる仲間として、様々なことを感じ、考え、探求を深めていただけたらと思います。

▶「企業とともに未来をつくる」コーポレートアクセスの詳細はこちら
▶探究学習プログラム「クエストエデュケーション

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