「面白さって学んでる途中にあると思う」兵庫県立高砂高等学校 井上くん

「面白さって学んでる途中にあると思う」兵庫県立高砂高等学校 井上くん
生徒インタビュー

兵庫県立高砂高等学校の3年生、井上海斗(いのうえかいと)くん。2019年度クエストエデュケーション(以下、クエスト)の「コーポレートアクセス」に取り組み、チームでH.I.S.からのミッションに挑戦。「クエストカップ2020 全国大会」出場チームに選出されましたが、クエストカップが中止され代わりに急遽開催されたクエスト・オンラインに出場しました。

今回は、「クエストでの経験を後輩にも伝えたい!」とメッセージをいただき、クエストでの経験や、チームリーダーとして学んだことについて、お話していただきました。

「これでいこう!」と決まった瞬間

「面白さって学んでる途中にあると思う」兵庫県立高砂高等学校 井上くん

井上くんたちのチーム「THS」が、発表の練習をしている様子

井上くんをリーダーとするチーム「THS」は、2019年H.I.S.からのミッションに挑戦し、優秀賞を受賞。クエストカップ全国大会への出場が決まるも、コロナの影響で大会は中止となり、代わりに開催されたクエストオンラインで発表していただきました。

クエストをやってみてどうでしたか?

井上:本当に楽しかったですね。

僕は、一人旅をたまにしたり旅行が好きだったので、インターン先としてなんとなくH.I.S.を選んだのですが、調べていくと、ロボット事業や保険事業もやっていて。「旅行事業以外にもいろいろな事業をやっているんだなぁ」「こんなやり方もあるんや」ってびっくりして。一面だけじゃなくて多方面から企業を見る面白さがあるんだなと感じました。

あとはやっぱり、ブレストをしていて「これでいこう!」と、自分たちのチームの事業アイデアが決まったときのことは忘れられないです。僕たちが提案したのは「若者と子どもたちが関わる」事業だったのですが、それが出てきたときには「ぴしゃーん!」とすべてハマった感じになりました。

どんなふうにしてアイデアが決まっていったんですか?

井上:僕たちが挑戦したH.I.S.のミッションは、「”真の世界平和”を実現する新事業の提案」だったので、チームのメンバーでその「世界平和ってなに?」というのをブレストしていたんです。

「愛」「優しさ」といろいろな言葉が出てくる中で、メンバーの女の子が「子ども」って単語を言ったとき、「それいいね」というふうになって。僕も、「ああ、いいなぁ」と思いながら、周りのみんなが固めていくのをみて「じゃあ、首脳国会議を次世代に広めるという意味を込めて、”G7、G20を超えて”っていうのはどうだろう」と言ったら、みんなもそれがいいって言ってくれて、決まりました。

全員いたからこそ、全国大会に出場できた

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お話を聞いているとすごくチームワークがよいなぁと感じたのですが、初めからチームの仲はよかったんですか?

井上:最初から特にそういうわけではなかったです。最初にインターン先の会社を選ぶときも、友だちと話し合うとかではなくて自分の興味がある会社を選んだし、チームが決まったときは「この人たちとやるんかあ」という感じでした。

僕を含めて男子2人、女子3人のチームだったのですが、やっぱり普段は女子と話すこともないので…。女子たちが最初、「全国いくぞ全国いくぞ」と言っていたときも、内心「行けるわけないやろ、こんなん」って思ったりしていましたね。笑

でも、やっているうちに段々楽しくなっていって。自分らがやりたいものをどんどん盛り込んで、自分たちの事業を作っていきました。全国大会への出場が決まったときには、「まさかこんなことがあるんだ」っていうびっくりと、「選ばれたからにはグランプリとってやるぞ」っていう気持ちで、すごい頑張りましたね。

僕らのチーム、意見を出してくれる子だったり、絵がうまい子がいたり、文章やパワーポイントをみがきあえる子がいたり、それこそ十人十色って感じで。その子たちが全員いたからこそ、全国大会に出場できたと思うし、発表でもいい評価をもらえたと思っているので、ここで出会ってみんなが意見を出して、みんながひとりひとりの役割を果たしてくれたことに感謝だなと思っています。

僕自身についても、このチームとの関わりをとおして変わったなと思うことがあるんです。僕は我が強くて、もともとリーダーをやることも多かったけれど、これまでは「全部俺が考えるから、あとはできたものを君たちやって」みたいな、そういうタイプだったんです。でもクエストをやったことで、「自分だけじゃなくて周りに頼る」とか「周りの意見を聞く」という力がついたかなと。

自分の持っている視点と、周りの人が持っている視点とはやっぱり違ったりするので、みんなのいろいろな視点を持ち合わせてひとつのものを作っていけたというのは、自分にとっていい学びになったんじゃないかなと思いますね。

コロナの影響で大会中止と聞いたとき

「面白さって学んでる途中にあると思う」兵庫県立高砂高等学校 井上くん

「THS」の発表資料より。

クエストをやっていて、うまくいかないなと思ったり、悔しかったりしたことはありましたか?

井上:やっぱり、コロナの影響で全国大会が中止になったのは、すごい悔しかったです。日曜日の本番に向けて、土曜日に東京に現地入りの予定だったのですが、その前日、学校で発表の最終調整をしていたときに大会が中止と聞いたんです。

少し前からいろいろなイベントが中止になりはじめていたので、いやな予感はしていたのですが、それがあたって。やっぱり、泣く子もいたり、呆然とする子もいたり。僕もいてもたってもいられなくなって、パソコンを閉じて教室に戻ってしまいました。同じチームの子と「ここはもう笑うしかないな」と意地でも笑いあいました。

のちにオンラインで、グランプリの審査はないけれど、発表の場だけでも開催されることを聞いて、「ここまできたんやったら、もう自分の出せる力を出し切って、完璧な発表にして、H.I.S.の人らをだまらせてやろう」と。

「だまらせてやろう」って感じだったんですね。笑 無事、だまらせられました?

井上:そうですね、H.I.S.の方が、「事業の実現性や資金、安全性など、僕たちが気になるところもしゃべってくれてよかったです」と言ってくれました。それで「よっしゃー!」って。

もしかしたら賞がもらえたんじゃないかと思っていたから、賞がなくなって悔しかったんですけれど、H.I.S.の方のコメントを聞いて、よかったなと思いましたね。

今思えば、本当に学校内でも楽しかったし、発表の後に「この学校のこんなところがよかったよ」って、他の学校のいいところ共有しあえた時間もあって、いろいろな学校の生徒さんとつながれて楽しかったなと思います。

やりたい仕事を、本気でやりたい

「面白さって学んでる途中にあると思う」兵庫県立高砂高等学校 井上くん

クエストを通して、先生や企業の方々など、大人たちとも様々な関わりがあったと思います。「社会に出る」「働く」ということについて、なにか感じることはありましたか。

井上:そうですね、どんなことでもそうだと思うのですが、社会に出ても、簡単にはいかないことばかりだと思うんですよ。自分がやりたいことに進むとしても、やっぱりなにかしらの壁があったり、うまくいかないことがあったりすると思うんです。

その時に諦めてしまいそうにもなるんですけど、でも、自分がやりたいと思って好きなことに挑戦している大人たち、たとえばH.I.S.の先輩の姿を見てたら、自分の好きなことに進むって悪くないなって。

しんどいこともあるやろうけど、結局それがやりたくて今までがんばってきたわけやから、本気でやっている人をみると「やっぱりかっこいいな」って。自分もそういうふうに、「やりたいことを本気でやりたいな」って思います。

将来のことで言えば、僕は看護師になりたいという思いがあったのですが、クエストを通して教師にも憧れを持つようになりました。自分は「誰かになにかを教えたり、サポートするのが好きなんだ」ということがより明確になったなと思います。

さっき「みんなの意見を聞けるようになった」とお話したのですが、看護師にしろ教師にしろ、そういうことは大事になると思うので、ここで学べたことはこれからもずっと役立つだろうなと僕は思いましたね。

最後に:探求をしているみなさんへ

最後に、クエストに取り組んでいる後輩たちへのメッセージをお願いします。

井上:やっぱりクエストの面白さって学んでる途中にあると思うんです。とことん意見を出し合って、出した意見を「いいね」って言い合う。それにつきるんじゃないかな。

僕も意見が出たときに、「いやこれはないやろ」って言いたくなりがちなんですよ。でも、全部意見を出し合ってみて、もう一度見てみたら、「あわせたら意外とまとまるかも」みたいな。だから、出た瞬間に「これはないやろ」って切り捨てるよりも、一度全部出すだけだして、そこからいいところをつまんでいくっていう方法が、僕はいいんじゃないかなって思います。

だから、意見を出し合ったり、意見がくいちがったときにも話したり、とことんぶつかりあって。そうしてぶつかった後に、しっかりとお互いを認めあう時間をとれれば、いくらぶつかりあってもいい。

一回ぶつかりあって、そのぶつかりあった結果をもとに、お互いの良さをのばしあえるチームメイトになって、探求をとりくんでもらえればいいなと思います。

井上くん、ありがとうございました!

当時井上くんたちの探求を見守ってきた、担当の先生からのメッセージ
私のクラスでは、すべてのミッションに参加していました。自分の生活圏内でしか考えられず議論に深まりがなく苦戦するチームもある中、THSは質問を投げかけると、柔軟な発想に基づく議論ができ、生き生きと取り組んでいました。「どう?」と声かけをすると、意志の強い目で説明をしてくれ、全国に行くとしたらこのチームかなと思っていました。アドバイスにも真剣に向き合い、友人や先生にも意見を聞きに行きったり、原稿やプレゼン資料も自分たちの提案を効果的に伝えるために試行錯誤したりと、一生懸命な姿に胸が熱くなりました。
井上君はもともと率先して行動できる人でしたが、クエストを通して、自分が前に出るだけでなく、人の意見を取り入れ、その人に必要なサポートができるようになりました。多様な生き方が許され、人とのつながりが希薄で正解のない世の中へと変化ししつつある今、あなたが培った力は、すばらしい財産です。看護師として、多くの人を笑顔にしてくれると確信しています。

兵庫県立高砂高等学校
2020年で創立九十七年目を迎える伝統校。普通科高校として、地域に根ざしたさまざまな活動に積極的に取り組むたくましいリーダーの育成を目的として活動。部活動も活発で、運動部、文化部を問わず全国大会をはじめ各種大会で輝かしい成績を収め、この高砂の地を大いに盛り上げている。
▶兵庫県立高砂高等学校公式HP

学校コーディネーター 平岡和樹

2020年教育と探求社に入社。学校部 学校コーディネーターとして全国の中学高校向けに探究学習プログラムの提供、ファシリテーターなどを務める。特に関西・中国地...

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