「生徒の力を引き出す学び」クエスト実践校紹介 西大和学園

西大和学園中学校・高等学校 学園長 上村 佳永 先生
先生インタビュー

「クエストエデュケーション」で、生徒は正解のない課題に探求的に取り組み、主体的、体験的に学んでいます。

「生徒の力を引き出す学び」をダイナミックに実践する二つの学校、渋谷教育学園および西大和学園のトップにお話をうかがいました。この記事では、 西大和学園中学校・高等学校 学園長 上村 佳永 先生のお話を紹介します。 (所属は2016年当時のものです。)

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大学教授の指摘で一念発起、グローバルリーダー育成に舵

「西大和の卒業生は覇気がない。合格だけを目的に大学に来ないでほしい」。クエストエデュケーションに出会ったのは、京都大学の先生の一言がきっかけでした。

当時、本校は京大などの合格者数で全国有数の進学実績を挙げられるようになったものの、中高6年間を通していかに効率的に知識を定着させるかを重視した教育手法をとっていたため、どうしても生徒が疲弊してしまい、大学に入ることだけが目的化してしまうような傾向が見られました。

そしてそれが、もしかしたら生徒たちの潜在能力をつぶしているケースもあるのではないかとも感じていました。そんな時にまさに生徒が目指す大学の先生からこのような厳しい指摘をいただいたことで、これではいけないと危機感を持ったのです。

最初は情報も持っておらず、私自身がインターネット「キャリア教育 中学生」などと検索するところからでした。他にもいくつかのプログラムがありましたが、クエストの資料を見て「これだ」と感じ、同じ課題意識を持っていた中学1年生の担当教員とも相談してすぐに導入を決めました。

学ぶ楽しさを実感し、生徒が明るく意欲的に

2012年度に、中学2年生を対象に初めてクエストの授業を実施しました。それまで「いかに効率的に教えるか」という授業しかしていなかったので、最初は教員がファシリテーターという言葉の意味も知らないような状態です。

それでも、学ぶ楽しさを実感できるようにうまく設計されたプログラムなので、生徒の中には非常に積極的に取り組む子が出てきました。生徒たちが変わっていくと、それに価値を感じて先生たちの姿勢も変わっていきます。そうすると生徒もさらに熱心に取り組むようになる。

昨年は、クエストを経験した中学3年生が自ら志願して、ファシリテーターやメンターとなって2年生を支援する取り組みも出てきました。本校の生徒たちは、明らかに以前より明るく、意欲的になっています。

数学の授業でも探求を取り入れると、自分で公式を見つけ出す生徒たち

協働して学ぶ姿勢、進学実績にも期待

もちろん、本校にとっては進学実績も絶対に譲れないところです。2016年度は、クエストを経験した1期生が高校3年生になりました。この学年はその後も詰め込みのような教え方をしてこなかったのですが、自分たちで協働しながら勉強する姿勢があって、とにかく雰囲気が良い。

詰めでいっぱいいっぱいになっていくこれまでの西大和生のイメージと違って、最後の1年もどんどん伸びていき、大学入試を通過点として、その後も意欲的に学んでくれるのではないかと思っています。

1期生が大学入試で結果を出せば、今は未だこのような学び方に疑心暗鬼の教職員もさらに踏み込むことができます。合格者数を追うだけでなく、グローバルリーダーとなれるような研究者や起業家を輩出していくために、学校としてはすでに舵を切りました。今後が本当に楽しみです。

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西大和学園中学校・高等学校(奈良県)
1986年に高等学校を開校し、2年後の88年に中学校を開校。開校以来、進学実績を着実に伸ばし、2015年度の大学入試では京都大学への合格者数が全国の高校でトップになった。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)とSGHの指定を受け、近年はグローバルリーダーの育成も目指している。

※この記事は2016年に発行されたクエストペーパーより一部編集、転載したものです。

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