【開催レポート】生徒の「考えたい!」を育むには?カードゲームで問い作りの種をまく「クエスチョン・エックス」体験会を開催しました!
中学校や高校の探究学習の時間で、どのように「問い作り」をしていけばよいのか、迷うことはありませんか。
生徒が自ら「考えたい!」と思い、楽しみながら探究を進めていくには、いったいどのようにしたらよいのでしょうか。
今回は、岩手県の中学・高校の先生方が、カードゲームを通じて生徒自らの「問い」を育む探究学習プログラム「クエスチョン・エックス」を体験し、問い作りについて共に考えました。その様子をお伝えします。
\先生方が体験したプログラムはこちら!/
自然と問いが浮かぶ日常世界へ
「なんで月って追いかけてくるの?」
「海ってどこまで続いているの?」
「雲ってつかめるの?」
小さい頃、私たちは自然と世界に興味関心をもち、たくさんの「問い」をもっていました。しかし成長に伴って、好奇心の赴くままに発せられる「問い」は減少してきたのではないでしょうか。
「クエスチョン・エックス」では、自然と問いが浮かんでしまうような日常世界に、生徒たちを誘い、そして「問いが持つ力」について探究を深めていきます。
今回の体験会では、プログラム中で生徒たちが体験する一部を抜粋し、問いに関する3つのワークを行いました。
ワーク1:問いの面白さに出会いなおす
まず1つめは、問いの面白さに出会いなおすワークです。
「〇〇がない世界って、どんな世界?」
「〇〇のライバルは?」
カードを組み合わせて「問い」を作り、それぞれ考えた「答え」を共有します。面白い問いや答えができたらポイントゲット!
「もう少し面白い答えを考えたいんだけどなぁ。考え付かなくてくやしい」
「問いの選び方や答えにもその人の特色があらわれるね」
「別の組み合わせの問いにしても面白かったかもね」
組み合わせたカードが提示されるたびに「おー!」「うわぁ、キツイ」などの声があがりました。今まで考えたことのないような問いに、1分間という短い時間で直感で考える難しさと面白さを体感いただきました。
普段考えないことを考えてみたり、自分には思いつかなかったことを他の人が思いついたり、自由な発想が広がり考えることが楽しくなってきます。
そしてこのワーク、実はただ楽しいだけではありません。
このときに使用するカードの「問い」には、ゆるやかに各教科の「見方・考え方」が内包されているのです。
たとえば、「〇〇が異常にたくさん使われている場所って?」という問いには、「社会」「地理」の教科の見方・考え方が内包されています。
したがって、カードゲームで問いを作って答えを考えているうちに、各教科が持っている見方・考え方を学び、「問い」を持ちはじめるきっかけになるのです。
ワーク2:問いを作ろう
そして、カードゲームを組み合わせて問い作りを楽しんだあとは、2つめのワーク。自分だけの「問い」を作ります。
「先生は〇〇についてどう教える?」
「〇〇をAIにさせたらどうなる?」
「あるとほっこりできる〇〇は?」
「受験に受かった友達に贈りたい〇〇は?」
「〇〇が誇りに思っていることは?」
先生方からもたくさんの面白い問いが生まれました!
ワーク3:問いを持って世界と出会おう
そして3つめ、最後のワークでは、「問い」を持って世界と出会いにいきました。
さきほど作成した「問い」の中から気になるものを選び、それを持って会場を出て周囲を散策、気になるものや目にとまるものがあればそれを「問い」にあてはめてみます。
そうしてたくさんの物事と問いを組み合わせていく中から、最後にひとつ、「児童・生徒や仲間と語り合いたい問い」を作っていただきました。
さいごに
今回問いを探究し、「他の人はこんな問いを持つんだな」「自分はこんな問いに惹かれる傾向があるのだな」と、きっと発見があったと思います。
中学・高校での探究においても、生徒たちが自分がどのようなことを探究したいのかを考えるきっかけができるかもしれません。
また、今回は先生方に問いを作っていただきましたが、同じように中学・高校の生徒たちに実験授業で作ってもらった問いも紹介します。
<中学・高校の生徒たちが作成した問い>
● 物語が秘めている力とは?
● 日本から暗記を無くすには?
● 喪失の後に残るものってなに?
● 植物とコミュニケーションするには?
● メロディは何を思い出せるか?
● 世界から信号を無くすには?
● 限界は人に何を与えるか?
● 権力で世界をカラフルにするには?
また、参加された先生方からは、次のような感想をいただきました。
●どのように問いづくりの種をまいていくのか参考になった。特に、教科に紐づけた問いを仕込む視点が参考になった。
●実際にゲームを体験して、問う楽しさを体感できた。
●実際に体験してみて生徒とやったら面白いだろうなと感じた。
●学校で使用する場面が探究だけでなく想定できた。
●実際に活用している先生のお話を聞けたり、同じ職場の同僚とこういう話ができてよかった。新しい視点を持てた。
●「問いがうまれる・考えるのはどんなタイミングなのか?」、それ自体も考えてみたい。
生徒が自ら「考えたい!」と思い、楽しみながら探究を進めていくために、どのように「問い」と関わるか、少しでも中学・高校の先生方の参考になりましたら幸いです!
\先生方が体験したプログラムはこちら!/
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