【開催レポ】 西日本の学校の先生方の学びイベント「第3回スタディツアー in OSAKA」

【開催レポ】西日本の学校の先生方の学びイベント「第3回スタディツアー in OSAKA」
イベント

2024年8月6日と7日の2日間、西日本の学校の先生方の学びイベント「第3回スタディツアー in OSAKA」を開催しました。東は新潟、西は福岡まで全国8都道府県から総勢47名の先生方が参加されました。今回は本イベントのようすを紹介します。

「スタディツアー」とは

「スタディツアー」は、西日本を中心とした学校の先生方を対象とする学びのイベントです。創造的な取り組みをしている教育現場の視察や、セミナーやワークショップの実施、地域の教育関係者との交流を行っています。主催は、教育と探求社 福岡営業所と大阪営業所。第1回、第2回を福岡で開催し大好評をいただいた本イベントを、2024年、満を持して大阪で開催しました!

1日目のようす

1日目は、午前中は常翔学園中学校・高等学校、午後は桃山学院大学あべのBDL(ビジネスデザイン・ラボ)と、2つの会場で開催しました。

まず午前の常翔学園中学校・高等学校会場では、互いの自己紹介をしながら、それぞれの学校の近況や教育の未来について語り合いました。

スタディツアーの発起人である、常翔学園中学校・高等学校 校長の田代浩和さんに、スタディツアーが始まった経緯や第1回、第2回のツアーの様子などを熱く語っていただきました。その後、参加している先生に協力してもらいながら、自己紹介をテーマにしたワークショップを行い、短時間で参加者同士が打ち解ける場となりました。

常翔学園中学校・高等学校 校長の田代浩和さんのお話
常翔学園中学校・高等学校 校長の田代浩和さんのお話

場所を移して、午後の桃山学院大学あべのBDL会場では、まず桃山学院大学の学生と卒業生が、キャンパス内を案内してくれました。キャンパスは、個人集中用のパーソナルスペースや、ラーニングコモンズ、ライブラリー、カフェエリアなどの様々な人や情報が行き交うスペース、さらにハンモックや大きなソファなど、リラックスしながら新しいアイデアを生み出すスペースなど、柔軟な発想が生み出される環境に整えたこだわりの設計の数々を見ることができました。空間デザインの一つ一つに刺激を受け、予定の時間を大幅に大幅に上回るほど、キャンパス案内は大いに盛り上がりました。

桃山学院大学 あべのBDL キャンパスツアーの様子

その後、桃山学院大学 ビジネスデザイン学部の紹介として、現役大学生の伊藤光騎(いとうこうき)さんが自身とビジネスデザイン学部の関わりについて話してくれました。

伊藤さんは、大学での日々において、自分の力だけでは上手くいかないことに気づき、メンバーの強みを活かしてグループで協力することの大切さを、このキャンパスの学びを通じて強く実感することができたと話されていました。

伊藤光騎(いとうこうき)さんのお話

次に、桃山学院大学ビジネスデザイン学部の卒業生 漆嶋 将太(うるしましょうた)さんのお話をうかがいました。

漆嶋さんは大学での学びを活かして、Maison KasuYa(メゾン カスヤ)という会社を仲間と共に立ち上げています。読んで字のごとく、「カス」に目を付けて「価値のあるカス」を有効活用して商品を生み出しています。「見方を変えることで新しい価値を生む」という考えのもと、様々な事業に挑戦をされています。そんな漆嶋さんの高校時代の探求の取り組みの話、その学びが今にどう生きているのかの話は、先生方に多くの気づきや問いを与える時間になりました。

漆嶋 将太(うるしましょうた)さんのお話
グループワークの様子

最後に参加者同士で ”みんなで考えたい問い” をグループごとで考え、濃密な1日目が終わりました。

〈”みんなで考えたい問い”の一部〉

・偏差値に重きをおく教育の形を変えるためには?

・学校はどこまで社会に開かれるべき?

・私たちはどこを見て生徒を育てるべきか?

・子どもの姿がどうなったら探究と言えるのか?

・定期考査は必要なのか?

桃山学院大学のキャンパス内での集合写真

※桃山学院大学のキャンパス内で集合写真。キャンパスにはオシャレな撮影スポットが沢山あります。

2日目のようす

2日目はグランフロント大阪 ナレッジキャピタルにて、ゲストに香里ヌヴェール学院中学校・高等学校  学校長の池田靖章さん福岡女子商業高等学校 副校長の近藤直輝さん、モデレーターに常翔学園中学校・高等学校 学校長の田代浩和さんを迎え、参加者も交えて2時間語り尽くしました。

ゲストの皆さんのご経験やそこに込められた想いをお話しいただきながら、1日目に参加者から集めたテーマ(”みんなで考えたい問い”)について議論を深めていきました。グループで話し合った意見を発表し、ゲストからコメントをいただくなど、参加者とゲストが双方向に語り合える、とても有意義な時間となりました。

ゲストを交えた対話の時間
グループワーク

教員を目指す高校生の感想

今回のスタディツアーには、将来教員を目指している札幌新陽高等学校 2年生の江藤治斗さんが、教育と探求社のインターンとして参加。2日間の感想を語ってくれました。

江藤さんのスピーチ

江藤さん:スタディツアーそのものが、これからの学校だという印象を受けました。多くの先生は、部活動以外で学外の先生同士でつながる機会が少ないと聞きました。その中で、常翔学園の田代校長がおっしゃっていたように、学外とのつながりを持つことで、自分自身の「ものの見方」が変わり、より深く学べる機会になると感じました。さらに、普段関わりのない人たちと出会うことは、人生が豊かになるだけでなく、いざという時の拠り所にもなっていきます。学校の枠を超えて教員が学ぶこと、リラックスして学ぶこと、一見つながりのないところに学びを見出すこと、そんな、これからの学校に必要な要素が溢れていた場であったと思います。

僕が最初このイベントに参加する時、僕と同じ高校生はおらず、教員として普段働いてる人の中に入ること、さらに関西だけでなく全国から先生が来るということに、かなり緊張していました。そんな中での1日目でしたが、知らない人しかいないはずが、母のつながりで僕のことを知っている先生が多いことに驚きました。そして、綺麗な桃山学院大学のキャンパスで、これからの教育の面白いお話を聞くことができて、とてもためになりました。

2日目は1日目に考えたトークテーマで、周りの先生と議論をしました。難しい話が多かったのですが、なんとか話についていき、最後には全員の前で感想をしっかりと伝えることができました。結果的に自分の将来の夢に対して、1歩どころか10歩ほど前に進んだような感覚があり、自分の進路がより具体的に見える経験となりました。

今回の経験は高校生ながら、教員ばかりの世界に飛び込むという、学校の授業では得られないような貴重な経験をすることができました。その中で僕は教員を目指す上で、これからの時代に求められる教員像について、実際に話し合うことで学ぶことができたので、私は将来、生徒が進んで物事を進めることができるように、導いていけるような教員になりたいと思いました。

江藤さんとサポートした社員2名

教育と探求社一同、この出会いを大切に、江藤さんが生徒を導く素敵な先生になってくれることを心から願っています。(写真はインターン生の江藤さんと今回のインターンをサポートした弊社社員の集合写真)

さいごに

最後に参加者全員で集合写真を撮って、第3回のスタディツアーの旅は終了しました。

ご参加いただいた先生方、関係者の皆さま、ありがとうございました。

来年も開催を予定しておりますので、今後もスタディツアーを通じて交流の輪を広げていきたいと思います!

ぜひ参加してみたい!そんな方はosaka@eduq.jpまでご連絡ください。

学校コーディネーター 平見 佳久

2024年教育と探求社に入社。学校コーディネーターとして関西を中心とした小中高校向けに探究学習プログラムの提供、ファシリテーターなどを務めている。小学校教諭...

プロフィール
  1. この記事へのコメントはありません。