【中学校・高校向け】探究学習の導入に使える補助金はある?条件や申込方法を解説!2024年度版

【中学校・高校向け】探究学習の導入に使える補助金はある?条件や申込方法についても解説!2024年度版
探究学習入門

探究学習は、従来の教育とは異なり、自分で問題を発見し、調べ、解決することで学びを深める手法です。今、社会に必要な能力やスキルを身につけるためにも、探究学習が注目されています。教育現場に探究学習が導入されることで、子どもたちの自主性や創造力を育み、より良い教育が提供されることが期待されています。

今回は、探究学習の導入に使える補助金の種類や条件、活用する際の注意点などについて解説します。探究学習を導入する際には、ぜひ補助金の活用を検討してみてください。

探究学習の導入に活用できる「働き方改革支援補助金2024」

働き方改革支援補助金2024とは

2024年4月時点で探究学習の導入に活用できる補助金には「働き方改革支援補助金2024」があります。

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「働き方改革支援補助金2024(令和5年度補正予算探究的な学びに資する民間サービス等利活用促進事業費補助金)」は、経済産業省の働き方改革支援補助金事務局が事務局業務を運営しています。本事業は、教職員の業務の効率化・省力化を進めるべく、学校活動支援サービスの導入を行う事業者に対し、事業費等に要する経費の一部を補助する事業です。

経費の一部が補助されますが、残りの経費は学校活動支援サービスを提供する事業者が負担するため、この補助金を利用することにより、教育機関(中学校・高校など)は無料で探究学習サービスを実施することが可能です。

ポイントをまとめると、次のようになります。

1.学校は、対象期間中、無償で探究学習等サービスを導入できます。

2.申請の手続きは、「学校活動支援事業者(以下、事業者)」が行います。

3.補助金を活用するには、採択された事業者と連携し、導入計画を策定してください。(連携方法は事業者によって異なりますので、ご確認ください。探究学習プログラム「クエストエデュケーション」の申込みはこちらから可能です)

4.補助金の活用にあたり、対象期間終了後、探究学習等サービスを有償で導入するための導入・資金計画等を検討することが必要です。

5.補助金交付申請期間は、2024年3月29日から2024年5月29日が予定されています。

*ただし、事業者によっては申請書類作成のために補助金申請の締切を2024年5月29日より前に設定しているところもありますのでご注意ください。

補助対象となる探究学習等サービス

補助対象となる探究学習等サービスについて、区分Aでは、「教科『総合的な探究(学習)の時間』の授業において探究学習を支援するサービス」が対象となります。

サービスの概要として、以下のものが対象となります。

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※参照:「働き方改革支援補助金2024」

採択された事業者のサービスを導入すること、交付決定前に契約・導入した費用は補助対象外などの申請条件があるので、詳細や最新情報は公式サイトを必ず確認しましょう。※2024年4月調査時点

「働き方改革支援補助金2024」の条件や申請方法

探究学習の導入で「働き方改革支援補助金2024」を申請するには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。ここからは、申請条件・対象教育機関・補助対象経費・補助金額・申請方法・申請期間についてご説明します。

申請条件

「働き方改革支援補助金2024」の申請条件については、以下のような制限があります。

・学校長の合意を要する
学校長等の学校活動支援サービス導入に係る責を負える者が本事業へ合意をしている必要があります。

・以前補助金の確定を受けた場合、その際と同一の事業者・学校等教育機関の組み合わせは補助金の対象とならない
令和3年度補正学びと社会の連携促進事業(先端的教育用ソフトウェア導入実証事業)費補助金(EdTech「導入補助金 2022)、令和4年度第2次補正予算探究的学習関連サービス等利活用促進事業費補助金(探究的な学び支援補助金 2023)において補助金の確定を受けた場合、その際と同一の事業者・学校等教育機関の組み合わせは補助金の対象となりません。

・同一の学校等教育機関にサービスを導入できる事業者数は最大で2者
同一の学校等教育機関にサービスを導入できる事業者数は、最大で2者までとなります。ただし、1者あたりの申請サービスの数は制限されません。

・減額される可能性あり
審査結果や予算執行状況の見込、補助金交付申請額の偏り等により、申請額よりも減額した金額で交付決定が行われる場合があります。また、予算の執行状況により、これまでに補助金を使用していない学校等教育機関を優先して採択する場合があります。

要件が満たされない場合や報告事項の虚偽が発覚した場合は、補助金の返還を求められます。申請時は以下の働き方改革支援補助金2024のホームページ(https://school-manabi.go.jp/)で確認するようにしましょう。

補助対象となる教育機関

「働き方改革支援補助金2024」の対象となる学校等教育機関は、以下のとおりです。

・学校教育法第一条に定める学校(ただし、幼稚園及び大学を除く) 

・高等専修学校 ・教育支援センター(適応指導教室) 

・一定の基準を満たすフリースクール
本事業におけるフリースクールの定義 
①不登校児童・生徒に対する学習支援・指導・相談を主たる目的とし交付申請時点までに2年以上の活動 実績があること。 
②児童・生徒の在籍校との間に十分な連絡体制が構築されていること。 
③複数世帯の児童・生徒(小、中学生)を受け入れていること。 

・文部科学大臣の認定を受けた在外教育施設(海外の日本人学校等)

補助対象となる経費

「働き方改革支援補助金2024」の対象は、以下のとおりです。

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※参照:「働き方改革支援補助金2024」

補助金の補助率と上限・下限額

「働き方改革支援補助金2024」の補助率と上限・下限額は、事業者の類型によって異なります。たとえば事業者が「A.中小企業単独型」の場合は、次のとおりです。

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※参照:「働き方改革支援補助金2024」

ただし、「働き方改革支援補助金2024」を活用する場合、補助されない分の費用は事業者が負担することが条件のため、学校等設置者(自治体教育委員会)及び学校等教育機関の費用負担はありません。

申請方法

原則、申請の各種手続きは、本事業に採択された「事業者」が行います。

導入したい探究学習等サービスを扱っている「事業者」を選定し、連携を打診、探究学習等サービスの導入・利用に関する計画を検討し策定してください。

なお、補助金交付申請の手続きは「事業者」が行いますが、導入先の学校等の形態に応じて申請手続きの流れが以下のように異なります。

<学校タイプ別申請手続きの流れ>

・タイプ①:学校等設置者が自治体で、学校等教育機関が小学校、中学校、高等学校の場合
※自治体(都道府県、市区町村、一部事務組合)が取りまとめて、学校活動支援事業者が申請を行う
※申請時には、自治体単位の導入計画(自治体が入力)の提出を必須とする
※学校等設置者の担当者が、事務局発行 ID・パスワードを使って、申請情報の一部を入力

・タイプ②:学校等設置者が自治体で、学校等教育機関が、県立高等学校、市区町村立高等学校、組合立高等学校の場合
※自治体(都道府県、市区町村、一部事務組合)では取りまとめずに、学校ごとに学校活動支援事業者が申請を行う
※申請時には、学校単位の導入計画の提出を必須とするが、タイプ①で求められる自治体単位の導入計画は不要
※ただし、本タイプにおいても自治体との連携は必須となるため、書面(事務局指定様式)により本事業への学校等設置者の意向確認を行う

・タイプ③:タイプ①②以外の学校等設置者、学校等教育機関(私立学校や国立学校、フリースクール等)の場合
※学校等教育機関ごとに学校活動支援事業者が申請を行う
※申請時には、学校単位の導入計画の提出が必須要件となる

申請期間

「働き方改革支援補助金2024」の補助金交付申請期間は、2024年3月29日から2024年5月29日が予定されています。

交付申請を提出した時期により、交付決定の時期が異なります。事業の実施期間は2024年12月27日または2025年3月31日(最大)までのため、早めの申請を心がけましょう。

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※参照:「働き方改革支援補助金2024」

今後の補助金も要チェック!探究的学習関連サービス等利活用促進事業費補助金

探究学習プログラムの導入に利用できる補助金は、今後「働き方改革支援補助金2024」以外にも出てくる可能性がある高いので、他の補助金も常にチェックすることが大切です。

「探究的学習関連サービス等利活用促進事業費補助金」は、教育機関への探究学習の普及を目指すため、経済産業省が設立しました。教育機関における探究学習の普及に向けて、導入にかかる費用に補助金を交付するというのが「探究的学習関連サービス等利活用促進事業費補助金」の趣旨です。

今後も状況次第で新たな補助金が現れる可能性はあるでしょう。

探究学習プログラムに補助金を活用する際の注意点

補助金には他の補助金と併用できないものがあります。例えば、他の補助金や助成金をすでに受けている場合、同一の内容で「働き方改革支援補助金2024」を併用することはできません。

また、交付決定日より前に契約・申込みが行われている場合は、補助対象外となります。さらに、補助対象となる事業の実施期間は2024年12月27日または2025年3月31日(最大)までであることや、補助金の活用にあたり令和7年度(2025年度)以降、探究学習等サービスを有償で導入するための導入・資金計画等を検討する必要があることも理解しておきましょう。

まとめ

探究学習プログラムの導入には、「働き方改革支援補助金2024」が利用できます。

ポイントをまとめると、次のようになります。

1.学校は、対象期間中、無償で探究学習等サービスを導入できます。

2.申請の手続きは、「学校活動支援事業者(以下、事業者)」が行います。

3.補助金を活用するには、採択された事業者と連携し、導入計画を策定してください。(連携方法は事業者によって異なりますので、ご確認ください。探究学習プログラム「クエストエデュケーション」の申込みはこちらから可能です)

4.補助金の活用にあたり、対象期間終了後、探究学習等サービスを有償で導入するための導入・資金計画等を検討することが必要です。

5.補助金交付申請期間は、2024年3月29日から2024年5月29日が予定されています。

*ただし、事業者によっては申請書類作成のために補助金申請の締切を2024年5月29日より前に設定しているところもありますのでご注意ください。

「補助金を受けられるサービスは事業者のサービスに限る」「同じ事業・費目については国の他の助成金や補助金と併用できない」など条件があるので、事前によく確認しておくことをおすすめします。

また、探究学習プログラム導入のための補助金は、「働き方改革支援補助金2024」以外の他の補助金も導入される可能性があります。「働き方改革支援補助金2024」以外の補助金の情報も常にチェックしておきましょう。

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