第4回:先生自身に生まれる学び—生徒の本心に向き合う探究学習

「できるようになる」ことだけが、探究のゴール?
「このワークシート、全部埋めさせないと…」
「最後は何か“いいこと”を言わせてまとめないと…」
そんなふうに、探究の授業が
“やるべきことをやらせる時間”になってしまっていないでしょうか?
もちろん、活動がスムーズに進み、迫力のある発表ができれば、
達成感や満足感が生まれます。
でもそのとき、生徒の中に学びとして何が残っているか?と問うてみることは重要です。
「こなす」から「味わう」へ ― 学びを見とるという眼差し
「MY PURPOSE」は、こうした活動優先・伝えるパラダイムから、
「学び優先・味わうパラダイム」への転換を支援するプログラムです。
その中心にあるのが、
活動の中で“どんな学びが起きているか”を先生自身が見とるという視点。
たとえば、
- ワークシートの欄が埋まっていないけれど、じっと1つの言葉を見つめていた
- 何も言えなかった子が、「わからないけど嫌じゃなかった」とぽつりとつぶやいた
- コラージュで貼った1枚の画像に、「なんか落ち着く」とだけ言った
…そんなささやかな表現にこそ、生徒の“内なる変化”が表れていることがあります。

「学び」とは、“世界の見え方が少し変わった”ということ
私たちは、学びとは「できるようになる」ことだけではなく、
世界の捉え方、自分のあり方が少し変わることだと考えています。
それはとても小さな、でも確かな変化です。
- 「これ、前だったらスルーしてたと思うけど、気になった」
- 「自分のことを“だめだ”って思ってたけど、ちょっと違うかもって思った」
- 「誰かの話を聞いて、“わからないけど大事かも”って感じた」
こうした言葉の裏にあるのは、
知識だけではない、世界をどう感じ取るかという感受性や人との関係性のレベルでの学びです。
だからこそ、先生は「教える」のではなく、
一緒に味わい、どんな変化があったのかを共にことばとして紡いでいく存在であることが求められるのです。

「学びを見とることで、教師も変わる」―英心高等学校・中林先生の声から
「MY PURPOSE」を導入した英心高等学校の中林先生は、
こんなふうに語ってくださいました。
生徒一人ひとりが漠然と思っていることと向き合い、友だちと共に一緒に考えてみるという稀有な体験ができる授業だった。このプログラムは遠回りのようでいて、最短距離を走る活動が用意されている。日本全国に広げていくべきものだし、このプログラムを通して先生方のマインドをより開かれたものへ変えていくことができるのではないか。
「MY PURPOSE」は、生徒のための探究プログラムであると同時に、
教師自身の“学びとの向き合い方”に気づきをもたらす契機にもなり得るのです。

学びとは、世界の見え方が変容すること。その実感を、生徒も先生も味わえる教室をつくることが、探究の本質だと私たちは信じています。そのためには、わたしの願いに向き合い、そこからすべての学びが展開されていくことが欠かせません。
教室に灯る“願いドリブン探究”の火が、静かに、でも確かに広がっていくことを願っています。
「MY PURPOSE」の詳しい内容はこちらからご覧いただけます!
このブログで紹介している「MY PURPOSE」は、
願いを起点にプロジェクトへと発展させる思考設計を支援するプログラムです。
導入を検討したい方、もっと具体的に知りたい方は、プログラム詳細ページをご覧ください。
MY PURPOSE プログラムの詳細はこちら
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