若いうちから起業家精神を!生徒たちが新商品を開発する「スモールスタート」クエスト・オンラインインタビュー③
全国3万5,000人の小中高生の探究学習の祭典、「クエストカップ全国大会」。2020年2月23日(日)、24日(月・祝)に開催を予定しておりました本大会でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い15年間で初の開催中止、オンラインでの開催を決定いたしました。
当日は、日本中の様々な地域の500人以上の小中高生が地元からライブでつながり、いまをつなぐことで深い学び合いを実現しました。(当日の様子)
今回は、社会課題を解決する「スモールスタート」部門に、審査委員・コメンテーターとして参加していただいた河野 有さん、小川 嶺さん、岩崎 亘さんのインタビューをご紹介いたします。
河野 有
株式会社ノットワールド取締役
小川 嶺
株式会社タイミー 代表取締役社長
岩崎 亘
アグリホールディングス株式会社取締役
株式会社イージェイ代表取締役
株式会社奥駿河家守舎代表取締役
カバーアート:現代美術家 二艘木 洋行氏
起業家コース「スモールスタート」とは?
日常生活の中から「新商品」の種を発見し、最先端の起業メソッドを用いて、起業につながる新商品開発に取り組むアントレプレナーシップ教育プログラムです。
「自分たち自身に置き換えてみても刺激になった」河野有さん
クエスト・オンラインの感想を聞かせてください。
クエストに関わるのは2年目なんですけれども、非常に面白いなと思っています。
中学生高校生の皆さんがこうやって授業の中で考えて、自分なりの答えを出していくというスタイルは、僕が授業として受けたものの中ではありませんでした。こういう新しい形の授業はすごく実践的で面白いなと感じています。
参加された生徒の方にとっても、学びが大きいのではないでしょうか。先生から何かを聞くだけというより、純粋に、自分で調べてこうじゃないかとやってみたり、試してみてやっぱり違った!という体験を繰り返していく。こうした作業はすごく学びが大きいのではないかと思います。
今日聞かせてもらった発表も、非常に面白かったです。 他の皆さんも言っていましたけれども、自分たち自身に置き換えてみても刺激になる。すごく良い発表ばかりだったなと思いました。
自分たち自身におきかえてみても刺激になる、というのはどのようなところでしょうか。
「日常生活のこういうところに課題があるな」という部分です。私たちが気づかないような、高校生なりの目線、中学生なりの目線で出てくる課題が面白いなと思いました。
さらにそれを解決する手法も、中高生のみなさんが自分たちなりに考えたものが、「ああこういうやり方もあるんだ」と感じて刺激的でした。純粋に面白かったです。
印象に残ったチームや発表はありますか?
僕は事前審査でも発表を見ていたので、事前審査で見ていたチームはちょっと親心というか、「その時にお伝えした内容からどう変わっていったのかな」と思い入れを持って見ていました。
「この部分変えてきたな」「こういう答えを出してきたんだ」という変化が、すごく面白いなと感じました。
事前審査のときに、「こうした方がいいんじゃないだろうか」とお伝えしたことに対しても、すごく真摯に取り組んでいました。ただ答えをいったわけじゃなくて、課題をちょっとお伝えしただけなのですが、それに対して自分なりに答えを見つけてくる。
この道筋が、中高生なのに、っていう言い方をするとよくないですけれど、「ああ中高生でも同じなんだ、大人だな」と感じました。
子どもたちは、しっかり自分でものを考えて、答えをだしていく。事前審査から本番までは2、3週間という短期間でしたが、その中でもしっかり答えを出してきて、ああ素晴らしいことだと思いました。
今回オンラインの開催となりましたが、実際にやってみてどうだったでしょうか。
思ったよりも、オンラインでも楽しくやることができました。
もちろん現場で顔合わせた方がいいところもあるとは思いますけれども、オンラインでも熱気はいただけました。完全に中止にならずに、すごくよかったです!
最後に、生徒へのメッセージをお願いします!
やっぱり続けていくこと。これで終わりではないので、続けていくことを心がけてほしいなと思います。
別に、今つくったものをそのままいけっていうだけではなく、別にそうではないものを見つけていってもらってもいいと思います。何かにグッと自分の希望を押し込んで進んでいってほしいな。
そしてスタッフの方々、ぜひもっと多くの学校でこういった授業が取り入れられたらいいなと思いますので、がんばってください!
ありがとうございます!
「若いうちからチャレンジすることが大事」小川嶺さん
クエストオンラインに参加した感想をお願いします。
非常に優秀だな、の一言。 たぶんいろんな 試行錯誤をしてここにたどり着いたんだろうなという感じがしたので、すごい素晴らしい行動力とアイデアだなと思いました。
自分も22歳で、若いうちからチャレンジすることはどれだけ大事かということが分かっているので、熱を消さずに更に加速するような感じでネクストアクションを考えていこうとしてもらえたら嬉しいなと思います。
印象に残ったチームはありますか。
星の王子さまのチームは非常に良かったなと思います。自分がもともと考えていたアイデアがあったんですけれども、そのアイデアに近いものだったというところもあって、印象に残りました。ビジネス的な可能性がめちゃくちゃありそうだなと思いました。
今回オンラインの開催となりましたがどうでしたか。
オフラインの方が自分は好きなので残念な気持ちはありますけれども、まあだからこそ魅力と言うか、中継みたいな感じでみんなでコメントしあったり、運営がしっかりできていて、そんな差を感じないぐらい盛り上がったかなと思っています。
「起業家精神はみんな持っておいたらいい」岩崎 亘さん
クエスト・オンラインに参加して頂いて、いかがでしたか。
いやもう、シンプルに感動しましたね。想像以上でした。
中高生とは思えないプレゼンで、内容もそうだし、見せ方も含めて、本当に僕自身が感激した。とても勉強させてもらいました。
印象に残っているシーンや発表はありますか。
みんな相当練習したんだなと思います。すごい感情を込めて発言をしていたのが印象的でした。本当に演劇みたいな感じで、自分を演じていたのが印象的でしたね。
今回オンラインの開催となりましたが、どうでしたか。
リアルを知らないので比較はできないんですけれども、全然よかったです。画面ごしからも伝わってくるパッションというか、情熱・熱意が伝わってきたので、これはこれで意外といいんじゃないのかなと思いました。ある意味今風というか面白いやり方だな感じました。
普通のクエストカップでは、生徒同士のコメントはないんですよね?生徒同士がほめあったり、鋭いコメントもあったりとかして、生徒にとってはすごいよかったんじゃないかなと思います。すごくいいフィードバックだったんじゃないかと思います。
企画のなかで「これもっとこうしたらいいな」ということはありますか?
そうですね、結構どれもよかったですけどね・・・!
今回は結局評価というか、賞をつけるということはなかったのですが、もし賞をつけるというときにどういう観点で選んであげられたらいいかすごい難しいなと思ったので、そこは考えたほうがいいなと思いました。たとえば今日僕がつけてといわれたら迷うなと思いました。
もちろん実現性ということもあると思うのですが、パッションや課題意識、プレゼンテーションなど、色々な要素があったのですごく難しいなと思いました。
あとはここまでのプロセスではなくて、このあとどうされるかな。というところです。このままおつかれさま、で終わっちゃうとしたらもったいないな。せっかくここまで考えたならこれをどう実現していくか、しないとしても、どうクエストしていくかというのはあると思いました。
出てきたアイデアが一歩前進して形に近づく、実現に近づくというのが一つでもあると、今後取り組む生徒のモチベーションが違ってくると思います。
今後中高の教育として、アントレプレナーシップの授業をやりたいと検討している先生へメッセージはありますか?
起業している側からすると、こっち側にきてほしいんですよね。
小川さんもおっしゃっていましたが、とにかく若いうちからやったほうがいい。最終的に起業家になるかどうかはさておき、起業家精神、アントレプレナーシップ、ある意味リーダーシップのようなものって、みんな持っておいてまったく損はないと思うし、社会に出ていく上でもとてもよいスキルや価値観になると思うので、ぜひみなさんやってもらえたらいいなと思います。
ここで得た失敗や挫折や苦労もそれも含めてすごく価値があると思います。また、僕らみたいな現実でビジネスやってる人に評価してもらうっていうのも、普通だったらない経験じゃないですか。 僕が学生の時にこんなのがあったらめちゃくちゃいいなと思うので、ぜひ少しでも多くの学校でやってほしいですね。
最後に、スモールスタートをやってきた生徒のみなさんにメッセージをお願いします。
とにかくここでやったこと、今までのプロセスで学んだこと、チームとしてやった苦労や嬉しかったこと、それを忘れることなく、ここで終わらせてしまうのではなくてこれを活かす。活かすためにはどうしたらいいか、ぜひチームメンバーで考えてほしいなと思います。そのために僕らもできることはサポートしたいなと思いますので。
世の中的には本当にみなさんみたいな起業家の卵を求めているのは絶対間違いないので、自信を持って、今日の経験を未来に生かしてほしいなと思います!
ありがとうございました!
生徒自らが日常生活のなかにビジネスの種を発見し、チームで協力しながら、新商品を開発する「スモールスタート」。
今回も多くの生徒のみなさんに、自分たちならではの視点から新しいビジネスの企画を発表していただきました。
→「スモールスタート」の詳細はこちら
発表していただいた生徒のみなさん、この場をともにつくってくださった先生方、参加いただいた審査委員・コメンテーターのみなさん、誠にありがとうございました。
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