• HOME
  • ブログ
  • 学校事例
  • 小学校で子どもたちが主体的にどんどん考えはじめる!「クエスチョン・エックス」導入事例紹介-東京都世田谷区立玉堤小学校-

小学校で子どもたちが主体的にどんどん考えはじめる!「クエスチョン・エックス」導入事例紹介-東京都世田谷区立玉堤小学校-

学校事例

「小学校の授業で探究的に学んでほしい」
「子どもたちが自然に考え始めたくなる様子や事例を知りたい」
「子どもたちが主体的になるためにはどうしたらいいんだろう?」

近年、探究的な学びが注目されていますが、小学校で主体的・対話的な学びを実現するにはどうしたらよいのでしょうか。

東京都世田谷区立玉堤小学校では、探究学習プログラム「クエストエデュケーション(以下クエスト)」のうち、問いを立てる「Question X(クエスチョン・エックス)」を2024年より導入。カードゲームを使用しながら自らの考えたことを共有するなど、子どもたちが自然に主体的になって授業に取り組んでいます。

今回は、こちらの小学校での取り組みや、実際の子どもたちの様子を紹介いたします!

Question X(クエスチョン・エックス)とは?
全6コマを通じて、生徒が自ら問いをつくり、問いを持って生きる面白さを体感するプログラムです。「問いを立てること」それは探究学習のベースです。問いの面白さに気づき、世界が問いにあふれて見える。そんな状態に生徒を誘い、すべての授業・日常から探究的に学び続ける姿をつくり出します。
詳細はこちら▶ https://quest.eduq.jp/questionx/

カードゲームを各テーブルで準備をして開始!

まずは、授業スライドを使いながら、お互いに認め合いながらさまざまな問いと出会うことの大切さをみんなで確認していきます。

そして、各班のテーブルにカードゲームが配られて、「問い」で遊ぶカードゲームがいよいよスタート!

子どもたちはボードの真ん中に置かれている「テーマカード」と、手持ちの「問いカード」を合わせながら自由に問いを作っていきます。

一人が問いを立てると、同じテーブルの他の子たちはその答えを考えて、付箋に書いていきます。

「あ~それいいね!」が教室に飛び交う

「なにこれ変なの~!」

この班では「前髪」というテーマカードに対し、「○○がない世界って、どんな世界?」という問いカードを組み合わせて、「前髪がない世界って、どんな世界?」という問いを作り、みんなでその回答を考えているようです。

「強風でオールバック!」
「後ろ髪だけになる(笑)」
「寝ぐせだけの世界になる!」

などの答えを出し、

「なんかこれとこれ似てるね!」
「こんな世界いやだ!(笑)」

と、できた問いに対して班のみんなで盛り上がっていました。

さまざまなカードを組み合わせて「問い」を作り、クラスメートとともに一緒に対話をする楽しさを感じていきます。

となりのテーブルでは、「手紙の量が増えれば増えるほど、減るものとは?」という問いを作ったようです。

「逆に紙が減る!」
「インターネットにあるメールアプリを使う量(頻度)かな?」
「郵便局にある切手!」

「手紙」というキーワードから、郵便局やメールアプリにまで連想させながら答えを探していますね。

答えを皆で見渡しながら、

「あ~たしかに!」
「いいねそれ!」

と声が上がっていました。

答えを出したあとは、皆で出した問いに対して「驚いたもの/良いなと感じたもの」を、指を指しながら選んでいきます。

「せーの!」
「うわ、分かれた!」
「その答えもいいよね~」
「それにした理由を教えて!」

などと話し合いながら、同じ班の他の子たちの考えに自然に触れているようです。

班のみんなで選んだ理由を聞いた後は、

「じゃあ次は私のばん!」

と、すぐさま次の問いを考え始めていました。

大人がみても「この問いには答えがない・・・」と感じるものも多く、難しそうに感じますが、子どもたち自身が問いに向き合い、自分なりの理由をもって答えていく様子が伺えます。

やってみて感じたことなどを皆でふりかえる

授業の最後には、今回のカードゲームを通してどのようなことを感じたのか、言語化していきました。

「たくさんの問いと、たくさんの答えがありました。そして人それぞれ考えていることが違うことが分かりました」
「みんなそれぞれ自分の考えを持っていて、いろいろな個性を見つけられました」
「違う考え方にも『たしかに』と思えたり、面白い考えや、考えさせられる考えがあることに気づくことが出来ました」

カードゲームを通して、ゲーム感覚で楽しみながら普段あまり考えないような問いに出会い、子どもたちは「なぜだろう?」「この答えは何だろう?」という探究心を思いっきり発揮していました。

さらに、カードゲームの中で、自然と「その考えいいね!」「違う考えって面白い!」とクラス内でお互いの考えを受け入れ合っている様子もありました。

さいごに

いかがでしたでしょうか。

カードゲームを通じて、クラスのみんなと、違う考え方を認め合いながら一緒に対話をすることを楽しんでいきながら「何を言ってもいい場」がつくられるきっかけになります。だんだんと、自然と教室の雰囲気が、考えたくなる場所・考えることが楽しくなる場所になっていきます。
この小学校での取り組みを通して、「年齢に関係なく、対話を通して楽しみながら、自然と学びたくなる場をつくれるんだ!」というイメージが少しでも湧きましたら幸いです。

小学生も楽しく探究!カードゲームで問いを作る探究学習プログラム「クエスチョン・エックス」詳細はこちら!▶https://quest.eduq.jp/questionx/

西村拓真

東京学芸大学院修士2年。教育と探求社ライターインターン。集団塾講師を3年経験し、「生徒が駆動される瞬間」を探求するようになる。一般社団法人東京学芸大Expl...

プロフィール
  1. この記事へのコメントはありません。