【開催レポート】知識を得るだけじゃない!お金についての主体的判断軸を養う金融経済教育プログラム「お金の力」の体験会を開催しました!(前編「VALUE」)
近年、急速に進化する経済環境やデジタル化の進展に伴い、若者の金融リテラシーの重要性が高まっています。高校過程でも2022年から資産形成や投資といった金融経済教育が必修化されるなど、学校現場でも金融経済教育の需要が急増しています。
そのような中、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と教育と探求社は、2014年度より探究型の金融経済教育のプログラムを開発・提供しています。
その中でも金融経済教育プログラム「お金の力」は、全3つのプログラムから構成されており、金融の知識や仕組みについての外形的な知識を与えるのではなく、子どもたちの人生や価値観を真ん中におき、お金や経済について主体的な判断ができるように段階的な学びが設計されています。
今回は、先生方が、金融経済教育プログラム「お金の力」のプログラムの中の2つ「VALUE」と「WILL」を体験しました。本記事では、「VALUE」の体験のようすをお伝えします。
*「VALUE」は小学校5,6年生以上を対象と想定し、「WILL」は中学生と対象と想定し、プログラムは開発しております。
*「お金の力」は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が社会貢献の一環として教育と探求社と開発し提供しているため、無償で導入できます。
金融経済教育プログラム「VALUE」とは
金融経済教育プログラム「VALUE」とは、普段お金とのリアルな接点が少ない中、お金と出会い、お金との前向きな付き合い方を模索していく全6コマの探究型プログラムです。カードを使った対話やグループワークを通して「お金を大切に使う」とはどういうことかを考えていきます。
現代の子どもたちは、キャッシュレス決済やネットショッピングなどの浸透により、親や身近な大人が「お金を支払う」場面を目にする体験さえも少ない環境にあります。そして「お金を大切にするってどういうこと?」と聞くと、実に多くの子どもたちから「無駄遣いをしないこと」「お金を貯めること」という答えが返ってきます。
しかし本来「お金を大切にする」とは、無駄遣いをせず貯めることだけではないはずです。「自分はどんなことに価値を感じるのか」「どんなふうにお金を使ったら、自分の人生が豊かになるのか」。「お金はなるべく使わない」と思考停止になるのではなく、「お金を大切に使うとは?」を、主体的・対話的に考えることがプログラム「VALUE」の目的です。
それではどのように「お金を大切に使うとは?」を主体的・対話的に考えるのか?体験会で行われたワークの一部をご紹介します。
*体験会のワークは、プログラム「VALUE」の一部を抜粋・アレンジしたワークとなっております。
ワーク①:高いものってなぜ高い?
人によって、価値観はさまざま。何を高いと感じるか、何を安いと感じるかも、その人によって変わります。
まず最初のワークでは、2種類のカードを使ってお互いの価値観を探求していきました。
はじめに、さまざまな活動が描かれた「ACTカード」を見比べて「いくらもらえたら自分はこの活動をやりたいか」を考えます。
「学校から駅までの道端でゴミひろいをする」
「バースデイケーキをつくる」
「1時間病人の看病をする」
・・・
そして、その中で一番安い金額となった活動を選び、選んだ理由を共有しあいました。参加者の皆様からは、以下のような回答がありました。
「園児向けに歌を歌う!その場ですぐできるから」
「5人分のカレーを作る。自分がいれば達成できるから」
「入学式の司会をする。他の人にとってはハードル高いかもしれないけれど、職業柄、日常生活の範囲内のことだから!」
安い金額でもやろうと思えるのはどのような活動か、その特徴についても話し合いました。自分にとって慣れていたり簡単にできることは、安くてもやろうと思えるようですね。
次に、さまざまなものが描かれた「PAYカード」を見比べて「これに対していくらなら自分は払うか」を考えます。
「ファッション誌」
「焼肉食べ放題1人前」
「ハムスター」
そして、その中で一番高い金額となったものを選び、選んだ理由を共有しあいました。参加者の皆様からは、以下のような回答がありました。
「焼肉食べ放題1人前。ものよりもサービスのほうが価値を高く感じた」
「ドローン。自分には使い道がないけど、良いモノは本当に高そう」
「動画編集ソフト。使う人が限られていて、値段はピンキリだけど高いものはとても高い。私たちは編集することがまずないけど、、、」
自分たちにとって高いと感じるのはどのようなものか、その特徴についても話し合いました。日常的にあまり使用しないものや専門性が高いものは高く感じる傾向があるようですね。
ワーク②:どんなとき値段は変わる?
ワーク①では、それぞれ「いくらもらえたら自分はこの活動をやるか」「これに対していくらなら自分は払うか」を考えました。周りと対話しながら、自分の価値観が徐々に明らかになっていったことと思います。
続いてのワーク②では、状況によってものごとの価値が変わるのかをみていきます。
まずは、ランダムに選んだ「ACTカード」と「PAYカード」を1枚ずつ、上のようなシートにセット。
「学校から駅までの道端でゴミ拾いをする」は、いくらなら自分はやりたいか?
「焼肉食べ放題1人前」は、いくらなら自分は払うか?
でてきた値段を比較し、活動と比べてものが高ければ「HIGH」、活動と比べてものが低ければ「LOW」のカードを「せーの!」で出します。
「焼肉のほうが高い!食べれるならゴミひろいは全然やる」
「ゴミひろいのほうが高い、ゴミひろいは大変だからそれなら焼肉はいらない」
など、人によって価値観はさまざま。つける値段もちがいます。
そして共有が終わったら、ここで状況が書かれた「SITUATIONカード」をオープン!
「きき腕が骨折して使えないとしたら?」
という状況がでてきました。こんな状況となった場合、さきほどまで「ゴミひろい」「焼肉」に感じていた価値はいったいどうなるのでしょうか…?
状況によっても活動やものごとの価値が変化したり、あるいは人によっては変動しなかったり。こうしてさまざまな価値観を体感していきました。
最後に、「お金を大切に使う」とは?
カードゲームや対話をしながら、どんなことに自分は価値をおいているのか、またお金とどう関わっているのかに気づくことができたかと思います。
最後に、「お金を大切に使うとはどんなことだと思いますか?」というテーマで参加者同士の意見を共有しあいました。
誰かや周りの価値観ではなく、自分の価値観を軸において「これはほしい」「これはほしくない」と判断すること、心の豊かさや健康のためにお金を使うこと、といった意見がでたようです。
体験会終了後、参加者の方々から次のような感想を頂きました。
「お金に対する価値は、人によっても、その時の状況によっても変化する、一様なものではないことが実感できた」
「自分の行動に価値を付けることをしてこなかったので新鮮でした」
この金融経済教育プログラム「VALUE」を通して、子どもたちのお金との関わり方を主体的なものにしていくサポートができれば幸いです!ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。
*「お金の力」は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が社会貢献の一環として教育と探求社と開発し提供しているため、無償で導入できます。
先生方が体験したプログラムについてもっと知りたい方は以下までご連絡ください。
03-6674-1234
bi@eduq.jp
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