牛丼のファションショー!? だから探究学習はおもしろい。

企業との探究学習

“第2回クエストミーティング”で、421人の中高生が熱いプレゼンを中間発表。

11月25日、26日にオンライン開催した”第2回クエストミーティング”には、全国から26校421人の中高生と、プログラムに参画する12企業から36人の企業人が参加しました。弊社の探究学習プログラム「コーポレートアクセス」に取り組む生徒たちにとっては、いよいよ最終章に入ります。企画案を聞き合い、アドバイスを受け取り、最後に何を深めていくのかを考える時間となりました。

▲全国から26校421人の中高生がオンラインで大集合!36人の企業人もサポーターとして参加。

クエストミーティングとは?

当社の探究学習は4コース、10個のプログラムがあります。その中でも受講生徒数の多いプログラムが「コーポレートアクセス」です。クエストミーティングは、「コーポレートアクセス」に取り組む中高生が学校や企業の枠を超えて交流し、新しい気づきやヒントをつかみ取って持ち帰る場です。

中高生は自分がインターンをする企業を選び、企業人に質問したりアドバイスを受けながら、1年間を過ごします。企業から与えられるミッション(課題)はどれも難題ですが、最後にはチームで完成させた企画のプレゼンを行います。

校内発表から外に一歩踏み出し、他校の仲間にむけたプレゼンをとおして、本質を伝え切る力、人の心をゆさぶる表現力を身につけていきます。

開始前チャットで”しりとり”合戦!?

コロナ禍をきっかけにオンライン開催となりましたが、オンラインならではの良さがイベントからもたくさん見られました。

南は佐賀から北は山形まで、全国16都道府県から個性豊かな26校421人が顔を合わせました。まず、最初はチェックイン。自己紹介を兼ねて今の気持ちをひとことずつチャットに書き込んでいきます。オンラインですから生徒たちは照れることなく、次々と書き込んでいくのですが、そのうち誰からともなく、”しりとり”が始まりました。

カラス

すまん

んw

ンゴロンゴロ保全地域

きのこ

こまつな

なっとう

うし

しあわせなうし

しらす

・・・そのうちお天気の話に。

 

寒いです

山形寒い??

さくらんぼやん

寒いです

奈良あめ?

くもりかも

先生のギャグもです。

緊張する🤣

先生のギャグww

がんばるぞー

おおーーー

こんなチャットがほんの1、2分の間に繰り広げられます。チャットで瞬時に距離が縮まる、オンラインならではの楽しみです。参加する大人たち、企業人も、私たちも緊張がほぐれます。

今日出会った仲間たちと、互いの企画やアイデアをアップデートせよ!

10月に開催した第1回クエストミーティングのテーマは「自社の魅力を発掘せよ」。生徒が企業のインターン生として、企業人の先輩方に根掘り葉掘り質問し、新たな視点を発見することを目的にしました。

今回、第2回のテーマは「今日出会った仲間たちと、互いの企画やアイデアをアップデートせよ!」です。生徒たちにとって、今日、初めて会う仲間から得るインスピレーションは計り知れません。

まず、生徒たちは企業別のグループに分かれます。1グループは約4〜5チーム。自己紹介からスタートし、各チーム渾身の企画を3分間で発表します。その後、企業人から質問やコメントを受け、企画を客観的に捉え直します。不意打ちに他校の仲間からの質問が降ってくると、「えーーー」と緊張の叫びが発せられますが、この対話から生徒たちはワクワクの新しい視点が掴み取り、深い思考へと誘われる、それがクエストミーティングなのです。

牛丼のファッションショー!?

▲吉野家からは4人の企業人がクエストミーティングに参加。吉野家のブレイクアウトルームの様子。

今回は吉野家ホールディングスの部屋(ブレイクアウトルーム)の様子をお伝えしましょう。

協賛企業の吉野家ホールディングスからは4人の企業人が画面越しに待ち受けます。参加するのは吉野家ホールディングスを選んだ中高生4チーム、

”JCボンバーズ”(天童市立第三中学校)
”YRP”(聖心学園中等教育学校)
”夢の牛丼”(就実高等学校)
”しあわせなうし”(福岡舞鶴高等学校) なんて楽しいチーム名!

生徒のみなさんが取り組んだミッションはこちら。

あなたの街の「ずっと大切」を生み出す吉野家の未来ビジネスを提案せよ!

『あなたにとって大切なもの、ことは何ですか? それは今も昔も、そしてこれからもずっと大切ですか?「いま大切」と「ずっと大切」は何が違うのでしょうか?』

生徒たちは、このミッションを1年かけて繰り返し読み解き、アイデアを出し合い、企画を練りあげていくのです。「今日はまだ全然途中です!」というチームもあれば、プレゼン資料も完成に近い形で発表するチームもあります。

衝撃的なタイトルで仲間たちを驚かせたのはチーム”JCボンバーズ”(天童市立第三中学校)の『牛丼のファッションショー』!

内容は吉野家の歴史に着眼したものですが、タイトルのインパクトに、他校チームは想像力を掻き立てられます。

「なんでそんな考えが出てくるんやろう」

「すごい新しい発想やな、って思って」

「牛丼のファッションショーとか、なんか面白そう!」

みんなが衝撃的なタイトルに興味津々です。その内容は・・・今はまだひ・み・つ・です。

吉野家の託児所

チーム”YRP”(聖心学園中等教育学校)からは「吉野家の託児所」という企画が発表されました。

YRP「なぜこのアイデアにしたかというと、あなたの街のずっと大切なものは、日本の未来を担う子どもたちだと考えたからです。」

ーとても明快な理由です。

YRP「具体的には、まず吉野家を利用してくれた子連れの家族に、タクシーチケットを無料配布します。そして、両親が忙しくなったり、子どもを預かってほしいとなってなった時に、そのタクシーに来てもらって、チケットと引き換えに子どもを預かるっていうものです。」

ーとても具体的!

吉野家Aさん「子どもという対象年齢を、自分たちでなくなぜ未就学児に着目したのかなっていうところが少し気になったんですけど、そこについては?」

YRP「対象は未就学園児限定ってことでなくて、すべての未成年かな。なんやろ、子どもの中にもやっぱり裕福な子どもと貧しい子どもの2種類のパターンがあるじゃないですか。僕たちは、例えば親が一人やったり、帰ってくるのが遅くて子どもの面倒が見られない時に預けられたり集える場所にしようと思ってました。」

吉野家Aさん「なるほど、そういうことなんですね。ありがとう」

吉野家Bさん「何年後ぐらいを想定して考えてますか?」

YRP「何年後っていうかなんやろ? 今すぐにでもやろうって」

吉野家Bさん「今すぐ!涙が出そうです・・・」

企業人との対話のなかで、チーム”YRP”の企画に至る背景や熱い思いを、仲間たちは知ることができました。

チーム”しあわせなうし”からは「アモーレ吉野家」

続いて、チーム”しあわせなうし”(福岡舞鶴高等学校)の発表です。クスッと笑いが溢れるタイトル「アモーレ吉野家」ですが、内容は真剣勝負。待機児童の問題と、老々介護の問題を同時解決できる企画が発表されます。

しあわせなうし「私たちが提案するのは、老人ホームと幼稚園を合併して経営するということです。育児や介護を担っている人々のストレスを少しでも減らせるような工夫もします。」

吉野家Aさん「社会的意義のある素晴らしい企画だけど、吉野家らしさは何か、をもっと深掘りしてほしいと思いました。」

企業人からのアドバイスに頷きながら、高齢者を介護する”家族”の夢のサポートという、新しい視点の発想、新たなキーワードも散りばめられた発表でした。

キーワードは、かけがえのない存在

チーム”夢の牛丼”(就実高等学校)からは、幸せに暮らせる地域を作る提案。少子高齢化の現状調査・分析に基づいたストーリー構成で、”大都市”・”地方”とバージョンを分けた緻密さ、資料としてのパワポの完成度も高く、他校チームからも称賛の声が。「吉野家が地域のかけがえのない存在に」というキーワードには、吉野家Aさんが激しく反応されました。

吉野家Aさん「マジ! 世界中の人にとってかけがえのない存在!っていうのはまさに吉野家のビジョンなのよ。今はもうお店は無人化してロボットになっちゃうじゃないか?みたいに言われてるけど、お客様がデリバリーじゃなくて店まで足を運んできてくれるような場、そこで交流できる場って、僕は興味があります!」

今日のクエストミーティングの目的は、よいプレゼンをすることではありません。仲間や企業人と交流し、新しい気づきとヒントを持ち帰ること。互いの発表を聴き合って刺激を受け、それぞれの企画の、更なるアップデートが楽しみです。

声・気づき・期待

同じミッションに取り組む仲間たちが日本全国にいて、その仲間とオンラインで会えるクエストミーティングは、生徒たちにとって学校の中では味わえないスリリングな体験ではないでしょうか。

アンケートからいくつか、感想を紹介します。

・一言で言えば、またしたいです!他の班のいいところも見つけて、お互い切磋琢磨したいと思ました!(博報堂グループ)

・他の人から肯定的な言葉を貰い自分たちの案に自信が持てたし、アドバイスもたくさんいただいてそのおかげでグループ内でもっと良い意見がでた。(博報堂グループ)

・自分でいいって思ってた所が逆に問題点だったと気づけたから良かった。みんなをあっと驚かせる企画を作っていきたい。(メニコングループ)

・より発想を飛躍させ、自分たちだからこそ創り出せるものを考えていきたい。(テレ東グループ)

・他チームからインスピレーションを受け、鼓舞された。(フォレストアドベンチャーグループ)

・まだまだ自分たちの考えはなにかに囚われている気がしました。他校の生徒たちから刺激を受けた。 (パナソニックグループ)

・すごく楽しかったです。遠い県の高校生や中学生と話す機会は普段ないので、学ぶことが多くて、刺激になりました。(テレビ東京グループ)

自分たちって、イケてるかも!

第2回クエストミーティングにオンライン参加した421人の中高生のみなさん、放課後に時間を作って参加してくれたことに心から感謝します。そして、彼ら彼女らを励まし鼓舞しながらも、時に厳しいご意見を投げかけてくれた企業人36人のみなさま、ありがとうございました。

1年間「コープレートアクセス」に取り組んだ中高生と企業人の学びもいよいよ最終章です。

生徒へのアンケートからは「他校の仲間たちとお互いをリスペクトしながらプレゼンを聞き合うことで、課題が分かってよかった」という感想が数多くありました。同時に、自分たちの企画のチャームポイントもたくさん発見できたはず。自信を持って企画をブラッシュアップして、さらに深く!探求してください。

 

 

「クエストカップ2022 全国大会」のお知らせ★

日本最大級の探究学習の祭典「クエストカップ2022 全国大会」を2月19日から2月27日の5日間にわたり開催し、当日はYouTube Liveによる配信を行います。今年は全国の学校から4049作品がエントリー。まもなく全国大会へ出場する約260チームが決定します!ぜひご注目ください。

最新情報は随時更新→ https://questcup.jp/

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